VRRP on AWS VPC-EC2

この記事は, 旧ブログから移植された記事です. よって, その内容として, 旧ブログに依存した文脈が含まれている可能性があります. 予めご了承下さい.

本エントリでは, VPC-EC2 で MASTER 側のヘルスが確認できなくなったときに, VRRP を用いてフェールオーバし, 一定度の可用性担保を実現する場合について1取り上げる. VRRP の実装としては keepalived を用いることとする.

前提

次のシチュエーションを前提としている.

  • インスタンスが 2 つ以上作成済みで, 24, 80 番ポートを SG の設定で開けてあり, どちらにおいても apache2 と keepalived が稼働している.
  • keepalived.conf にそれぞれ MASTER と BACKUP が設定済みで, VPC-EC2 のルートテーブルにて, いまの設定にあわせて 1 つに VIP (192.168.1.1/32) が設定してある.

このシチュエーションがオンプレミス環境上の話であれば, 何の問題もなく, これでフェールオーバが実現できるのだが, AWS EC2 でこれを実現するためには, AWS のルートテーブル側の VIP ターゲットをも貼り直す操作が必要となり, この操作については, ある程度自分で実装しなければならない. いくらか調べて見ると, awscli で同様の環境を作っている事例を多く見るのだが, 本エントリでは諸事情より AWS SDK for go を使って, 操作することとした.

設定と実装

結論からいえば, keepalived はユニキャストに対応しているので, それらの設定を行い, 互いに監視して, MASTER または BACKUP となったときに自動でルートテーブルを操作すれば良い. もう少し細かく言えば, 冗長構成のうち監視対象となるインスタンスのプライベート IP を設定すれば良い.

そのついでに, VIP が設定されていることを簡単に取得できるように, VIP が設定されたインスタンスにタグを設定するようにしたい. さらに, 毎度 keepalived.conf を作成するのは手間を要するので, 冗長構成の中から監視対象や VIP などを自動検出して, keepalived.conf を生成するようにもしたい.

ということで, これらの要件を自動化するべく実装した.

動いている様子のデモビデオを録画した.

余談

今回 keepalived.conf の生成のために, はじめてtext/templateパッケージを用いた. といっても簡単な使い方しかしていないので, 今回のような事例の他にも, まだまだ応用範囲は広そうだが, それにしても中々便利であった. また今回で golang を使ってなにかモノを作ったのは 2 回目であるが, 段々と慣れてきたような気もする. とくに, AWS SDK に関しては, まあ元々使いやすいのは十分にあるのだが, 以前よりも大分勝手がわかってきた気がする.


  1. 普通にロードバランサもあるので, 選択肢としてこれに限るというわけではない.↩︎


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